矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察

犯罪事件コメンテーターとしてTVに出ることがあります。社会の出来事や自分の体験を心理学的に考察します。3日に一度、昔、単行本などに書いた少年犯罪分析を連載します。自分で取材した古い事件もあります。他、本家ホムペ・ブログ更新情報も告知します。

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小保方晴子入門 | 佐村河内氏会見と7ラウンド制でチェック

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何ヶ月もマスコミを賑わせたSTAP細胞も、笹井さんの自殺によって、曖昧の形なまま沈静化していきそうな気配です。以前から、小保方さんのキャラクターについてはいろいろと取りざたされてきましたが、私の目から見たまとめをここら辺で出しても良いと思います。僕は、小保方さんの釈明会見は、某テレビ局の1室でメモを取りながら最初から最後までかぶりつきで観察していました。その少し前に佐村河内守氏の謝罪会見も同様の形で見ているので、いくつかのチェックポイントから両者を比較してみたいと思います(「佐村河内氏との対比」と言う形によって、何らかのバイアスが生じている可能性は否定しません) 。とりあえず、 「どちらが『強さ』を見せているのか」と言う点に絞ってチェックします。

第一ラウンド 会見前
小保方氏 直前まで、会見できるかどうか分からない状態。ずっとつきそわれていた。
佐村河内氏 自力で会場を手配。
・・・10対0で佐村河内氏

第二ラウンド 服装
小保方氏   膝丈の紺色ワンピースにパールのネックレスというクラシカルスタイル。母親が用意した数着の中から弁護士と一緒に選んだ。ファッションジャーナリスト日置千弓氏「非常にフェミニンで驚きました」
佐村河内氏 それまでの「神秘的芸術家」 をイメチェンする短髪姿(今までの格好だと、マスコミに目立つので、と発言) 。ノーネクタイ。ワイシャツの2番目のボタンを外しそこによく指を引っ掛けていた。
・・・10対5で小保方氏

第3ラウンド 立ち上がり
小保方氏  まばたきが多く、周囲を何度か確認してから座る。
佐村河内氏 イメチェン姿で自分でマイクを取り、開始を宣言する。
・・・10対0で佐村河内氏
 
第4ラウンド 謝罪部分 
小保方氏  自らの「自分の能力を超えていた」「不注意、不勉強、未熟さ」を謝罪するが、「悪意はなかった」事は強調。
佐村河内氏 司会者を頼んでいないので終始自分でリード。最初は謝罪するも、 「現代音楽の方向性に疑問を感じていた」と正当性を強調。
・・・10対5で佐村河内氏

第5ラウンド 質問部分
小保方氏  どのマイクを使えば良いのか、隣の弁護士の指示を求める。
佐村河内氏 質問する質問者を自分で指名する。 「難聴は本当にあったのか」という方向に話を運び、 「聴力を失った作曲家として世間を欺いてきた」問題についてはほとんど触れさせない
・・・10対0で佐村河内氏

第6ラウンド 終盤部分
小保方氏  複数の質問者が「トカゲのしっぽ切りだという不満を理研に対して持っているのではないか」という誘導的な質問を行うが、それに乗らず「私の責任」と繰り返す
佐村河内氏 「新垣さんを訴えます」と宣言
・・・10対0で佐村河内氏

第7ラウンド ハイライトシーン
小保方氏  目を輝かせて「STAP細胞はあります! 」 
佐村河内氏 暴露記事を書いた記者の挙手を自ら指名し、逆ギレに近い口論となる
・・・10対5で佐村河内氏

 

 

「一人で乗り切ってみせる」 佐村河内氏、「誰かに助けて欲しい」小保方氏

 

  これは、スコアを見るまでもありません。小保方氏の「強さ」が勝っているのは、 「謝罪の姿勢を押し出した服選び」だけでしょう。これすらも、母親が候補を挙げ弁護士が選んだそうです。 「 1人では決められない」弱さが、 「自分ひとりで乗り切ってみせる」という佐村河内氏にはるかに及ばないのです。ただし、ここでいう「強さ」と言うのは、 「図々しさ、ふてぶてしさ」と同義ですので、こんなシチュエーションで「勝った」ところで、全然いい話ではないのですが。 (これは、 「男性と女性の違い」に簡単にきすることはできません。酒井法子さんのような、覚せい剤反応が抜けるまで身をひそめ、隅々まで自己コントロールされた謝罪会見を行うという強靭なまでの意志力を見せた女性もいるのですから)

 私が言いたい事は、よく似たもの同士とされたりする小保方氏と佐村河内氏ですが、その基本的なパーソナリティー・スタイルが全く異質であるということです。佐村河内氏は、 「昔、比較的軽度の難聴が証明されたことがある」というただ1点の材料を用いて「反撃できる部分が少しでもあれば、徹底的に反撃する」と言う攻撃性、さらには最も手ごわい相手を自ら指摘して口論をたたかわすという怒りの強さと捥自慢が顕著です。

 

ただ小保方氏の方が本質的に派手好きなのだ

 

 何度も弁護人の方を見る小保方氏の本質は、依存性にあります。ただし、彼女の場合、 「他人から好意を持たれたい」と言うことの手段として「外見を飾る(ピンクの研究室、割烹着)」 「聞こえの良いこと(STAP細胞)を言う」などの「素敵さ」を誇張することによって、他人の好意を勝ちとろうとする積極策に出るところが特徴的です。このような外見的効果に重点が置かれているタイプを演技性パーソナリティーと言うのですが、そろそろ枚数がなくなってしまいました。