矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察

犯罪事件コメンテーターとしてTVに出ることがあります。社会の出来事や自分の体験を心理学的に考察します。3日に一度、昔、単行本などに書いた少年犯罪分析を連載します。自分で取材した古い事件もあります。他、本家ホムペ・ブログ更新情報も告知します。

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連載少年犯罪検証002長崎「少女の競争心」弐

連載少年犯罪検証長崎「少女の競争心」弐

長崎佐世保女子児童同級生殺害事件

 あるメディアが、加害女児がコマ回し講習会に友達と参加した時のことを原稿

用紙9枚に書いていることを紹介し、そちらの方が加害女児のあどけない一面で

あった、と位置付けているが、私の見方は違う。「友達は私が回される前にもう

回っていました。クラスでも私がいちばん回し方を覚えるのが遅かった・・・か

も」「次は練習で加減を調整し、上手な人に負けないくらい頑張りたいです」と

ある。このような遊びにおいてすら、他人との優劣を意識しているという点が、

この女児の基本的な競争心の強さを表しているように感じるのである。

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 なぜ、このような性格傾向が形成されたのか十分な情報は無いが、週刊誌報道

などによれば、周囲の母親からは、「加害女児の母親は、女児が友達にからかわ

れたら、すぐ学校に文句を言いに行くタイプ」という証言もあり、また、加害女

児が荒れ始めたきっかけと考えられているミニバスケットボールクラブ退部の件

に関しても母親が「宿題ができなくなるから」「成績が落ちるから」などの理由

でやめさせた、とも報道されている。

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 犯罪報道などで、「親の愛情が足りなかった」などの安易な因果関係に陥るこ

とは警戒した方がよいが、現段階の情報としては、母親自身が子供の勝ち負けに

こだわる競争的な態度を持っていたのではないか、と憶測することはできる。

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 「勝った、負けた」にこだわるサディスティック・パーソナリティーは、何を

持って他人に「勝った」と見なすのであろうか。これは、個人によってさまざま

な現れ方をする。他人を自分の号令に従わせることによって優越感をかんじよう

とする「しきりたがり屋」や、「相手に、屈辱感を味合わせてやった」というこ

とを持って勝利の喜びを感じる「いじわるな人」は、私たちの日常生活でも時に

出くわすタイプである。

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(このシリーズは、10年ほど前に中央公論その他の雑誌や単行本にまとめたもの

で、現在の僕の「減刑カードとしてのアスペルガー障害精神鑑定濫発→犯罪予備

軍という偏見助長」という問題意識とは視点が異なります。「あなたの子供も犯

罪を犯すかも」と親の不安を意図的に煽ろうとする一部マスコミの意図をテレビ

コメンテーターの役割の中で感じる機会も多かったです。僕は一つの事例として

犯罪少年の心理に興味があっただけで、「わが子を犯罪者にしないためには」な

どと案ずるよりも「わが子を交通事故にあわせないためには」などを考えた方が

一万倍有益だと思っています)