矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察

犯罪事件コメンテーターとしてTVに出ることがあります。社会の出来事や自分の体験を心理学的に考察します。3日に一度、昔、単行本などに書いた少年犯罪分析を連載します。自分で取材した古い事件もあります。他、本家ホムペ・ブログ更新情報も告知します。

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もし元不登校児の娘が自閉症だったら
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矢幡洋の精神医学と心理学:更新情報-「子供を受けいれて待つ」でドツボにはまった不登校問題 | 心理主義の犯罪

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「代理母で子供千人計画」重田光時氏の性の謎 | 女性回避が先にあるのか? 

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TVで報道されているのは一部の話のみ

 

 バンコクで、24歳の日本人男性が、代理出産により16人の乳幼児の父親になっおり、タイ国家警察の捜索が行われている事件の主人公である「父親」は、光通信の創業者の長男・重田光時氏であることはすでに知られている。各局の報道番組には、 「独自に裏が取れた事実でない限り取り扱わない」と言う鉄則がある。他局や週刊誌ですでに溢れかえっている事実であっても、その局がその確実性を確認できないうちは、放送内では触れない。だから、昨日もスタジオでは週刊文春・週刊新潮などに書かれた記事内容に一切触れなかった。

 

 最初事情を知らずに代理母を斡旋した団体が「 彼は 毎年十人から十五人の子供が欲しい」と言っており、百人~千人もの子供を作ろうと計画している」と大使館に通報し、また「世の中のために、たくさん子供を作り、命を生み出すことが自分にとっての哲学」と言っていると伝えた。

週刊誌報道から見える奇妙な過去

  前回のこの問題についての記事では「生殖技術・生命倫理にかかわる問題」と述べた。しかし、週刊誌などで知ったことを総合すると、どうしても心理屋のさがが働いてしまう。この人物の「性」のあり方があまりにも特異で、整理したくなってしまうのだ。


1 、大変なマザコンだった。高校生しては珍しく、いつまでも母親が授業参観にきていた。


2 、シモネタ話が大嫌いだった。


3 .趣味として知られているのは、 『エヴァンゲリオン』のDVDを全巻所持していたこと。


4 .父親に対しては、 「金儲けの仕事をやっているだけ」と強い敵対感情を持っていたが、ある時、父親から「俺を批判するのは構わないが、自分自身で力をつけなければ、何一つすることはできない」と言われた


5 .東南アジアに複数の会社を持っている模様だが、仕事ぶりは、 「喫茶店などのリラックスできる場所でパソコンを叩いたり、ネット通信をしている」と言う姿が目撃されている程度。


6 . 「女の子はいらない、男の子だけが欲しい」と言っており、男の子には、皆自分の名前の1字「ミツ」をつけている。 (女児の養育を放棄しているわけではないだろうが、 「子供と楽しそうに遊んでいた」と言ういくつかの目撃情報は、いずれも、男の子のみに限られている。女児の名前には 「ミツ」は入れられていないようだ )


7 .代理母たちにほとんど感謝の表明をしないので、怒りを買っている。ある証言では「 「ご苦労様」と一言言われただけで、私の顔を見ていなかった。その一言だけ」 。

 

8.代理母は全て帝王切開で出産するように要求されており、産んだ子供には全く会わせてもらえない。

 

9.保育体制を管轄している女性は性転換した元男性であるという話がある。


10 .母親もこの進め方に同意している節があり、現地まで足を運んだことがあるようだ。

女抜きの生殖

以上、まだ断片的で不正確な情報も多いだろうと思われる。
私には、これは、 「家庭の倫理」 「子どもの権利」などの問題の前に、 「セックス抜きの自己複製ではないのか? 」という印象を打ち消せない。
彼は、未婚である。伝えられた情報では、女性が好きではなさそうだ。女性との絆は、母親1人のみのようだが、ここら辺でマザコン云々の概念を出してくる事は控えておこう。 「仕事が忙しい、でも子供欲しい、優秀な男性の精子バンクでもあれば良いのに」といったキャリアウーマンの言葉が小見出しにあった記事を相当昔読んだことがある。金の力で、それを早々に実現してしまった。だが、そのキャリアウーマンの言葉にも「女の子が欲しい」と言う言葉は特になかったと記憶している。

ユニセックスの自己増殖

 自分と同じ性の男の子、自分の名前の1字を与える、と言うことになると、非常に自己増殖の色合いが強くなる。代理母だけではなく、卵子の提供者である遺伝状の母親とももしかしたら顔も見たくないのかもしれない。もしくは、セックスのみならず、出産という生々しい生物的プロセスが嫌いで、テクノロジーで可能な限り代替したいのであろうか。


  異性の姿がなく、自分が自己増殖してゆく牧場。僕には、まだこの光景を分析する言葉がない。とりあえず最初の関門は「相手の存在しない自己増殖に近い形で行われる単一性(男性)の王国」を夢見ている男の姿である。

更新情報「もう一人の私が自分を見ている | 統合失調症ではないんだが、妻の紛らわしい体験」

[あまり不思議な話だけに注目したってしょうがないのだが。確かに19世紀からヒステリーにも幻覚体験はあると言われている。個人的には統合失調症の初期状態と混同するとものすごくやばいような気がする。結論はない / “もう一人の私が自分を見…” http://t.co/UNlppslppf]

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「子供一千人出産計画」男って結構やばいような気がする | 優生思想がもう実行できるようになっているという事態が本当は一番怖い 

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スタジオ出演は災害報道で流れました。当然ですが

 今日、何年かぶりでスタジオ生出演の予定があった。ネタは「子供一千人出産計画」タイの代理母などを使って子供を1,000人作る予定だった、と言うアレ。スタジオの待合室で「喉の調子、最悪だな。声、枯れないかな。スタジオ生出演なんて何年ぶり? 」とか考えながらもうろうとしていたら(夏風邪が治りきっていない)スタッフさんがやってきた。


  広島の集中豪雨による土砂崩れの救出作業が大変になっているということで、こちらのコーナーは急遽「後日、またの機会に」ということになった。こういう事は、非常によくあること。 「はいはい、それは、災害報道が当然優先でしょう?では、何かの機会がありましたら・ ・ ・ 」と帰宅。帰ってから「36人死亡 7人不明」と言う大惨事だったことを知る。驚いて 「こんなに被害者が出た災害、ここのところなかったんじゃないの? 」と妻と話しているうちにいつのまにか眠ってしまった。とにかく、すっきりしない風邪だ。

すぐに出演することになりそうだ


  電話の音で目を覚ます。同テレビ局のスタッフから、 「明日、同じネタでスタジオに来てくれないか」と言うお電話。まさか、翌日とは思っていなかったので(僕の認識では、すべての番組は、 1回ごとに主ディレクターが変わる。またお声がかかるとしても、どんなに早くても翌週だと思っていた)戸惑う。ちょっと今、バタバタしているんだけどなぁと思いながら、お引き受けることにする。

ここだけの話なんだが、この男、結構ワルかも知れない


 ついでだから、 「スタジオでは、ちょっとここまではしゃべれない」と言う私的感想を書いてみよう(当然、スタジオで喋るような事は、ここには書かない) 。
本当に、 「臭い」でしかない。こんな極度に少ない情報からの個人的憶測なので、 「漠然と、そう感じるだけ」と断るしかない。それだけ前置きをしても、 「反社会性パーソナリティ」のにおいがそこはかとなく匂ってくる印象を打ち消せないのである。
その根拠(心理屋の勘が大した根拠を持っていないことがよく分かるだろう)


1.その国で違法性の強いことをやっている(タイでは、金銭謝礼目当ての代理母は法的に禁止されている) 。日本の国内法では犯罪とされるかどうかは不明だが、ご当地の違法行為を人目を隠れてやっている。


2 、嘘をついている(自分の代理弁護人には「相続対策の為」と私的利益であることを言っているが、マスコミ向けには「子供たくさん作ることが自分の哲学」と公的目的があるかのように言い換えている)


3 、どん欲さ(1人、 2人で満足する人もいるだろうが、この人物は自分の欲望に限界がかけられない様子)


4 .大胆さ(世界中を飛び回り、自分個人の託児所を作り、人を雇ってしまう、と言うこの行動力。考えたって、実行に踏み切れないのが、普通の感性)


5 .人間的関係の無視(言っていることを総合すると、 「それぞれの子供に対して生活保障をちゃんとつけている」ということだが、 「親の愛情が行き届かない事はどうでもよいのか」ということは念頭にない様子。 「モノとカネさえあればいい」で、人間関係無視というのは、反社会的な価値観だ) 


 ・・・まぁ、こんな事は言えないこともないのだが。

優生思想ってもう実現しちゃう技術があるんだ・・・


 この1件の1番怖いところは、 (この人物はカッコつけで言っただけかもしれないが) 「優秀な遺伝子を持った人間がたくさん増える事は、良いことだ」という優先思想であり、そして「実は、それを可能にしてしまうほど、現代の生殖科学技術は進んでいる」ということなのだ。この問題を出してしまうと、収拾がつかなくなってヤバすぎるので、スタジオでは間違っても言えない。

最も犯罪被害に遭いやすいのはこのタイプだ | 愛媛・伊予市女性遺体事件に見る犯罪弱者

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愛媛・伊予市女性遺体事件の新しい情報が少ない

 いちにち経ったのですが、特に新しい情報は無いようです。それほど大きく注目されている事件ではないのですね。


  少なくとも、大野さんが無職女36歳とその息子娘3人とを中心とする協同生活の中から「何度も逃亡を図っては、引き戻された」と言う証言はなく、現時点では、殺害されるまで、ある程度本人の意思でそこに留まっていたと考えてもよさそうです。

「とどまった」ことは別様に解釈できるかも知れない

  「自分にアイデンティティーを与えてくれるプチ反社会的集団と同一化しようとしていた」という見方を紹介しました。しかし、大野さんが結局このグループに止まってしまった理由は少しニュアンスが違っているかもしれません。

もう一人の少女との対比で浮かび上がる

  それは、このプチ反社会的集団の中にもう1人いたとされる居候の少女と対照的な行動をとってるからです。もう1人の居候少女は、昨年秋ごろ、この一家から家事を押し付けられるのに反発し、出て行っています。その後、出ていった少女の後釜の位置を占めるようになったのが大野さんです。そして、食事の支度、小さな子供の面倒を見ることなどをさせられていた、と言う報道がなされています。

 

「下」に置かれることになれている人たち


  ひとりの少女は、下僕扱いされることに憤慨して去っていきました。しかし、大野さんは、下僕扱いされる事を許容してしまいました。そして、それはエスカレートし、一家のストレス発散の対象とされるような「サンドバック扱い」にまで彼女の位置は転落してしまったのです。


  つまり、大野さんは、下僕扱いに憤慨して出て行った少女に比べると、自己評価が低かったということになります。立ち去った少女は、屈辱的な下僕扱いをされてプライドが傷つき、腹を立てたのではないかと私は思います。ところが、大野さんはそれを受け入れてしまった-彼女の方が、下僕のような位置に甘んじてしまう一面を持っていた。 「何で私がこんなことをさせられるの! 」と怒るのではなく、 「こういう役回りは、私にお似合いの仕事」と受け入れてしまった可能性があります。プライドが高くなかった、逆に言えば、自己評価が低かったのです。

 

最弱・依存性パーソナリティー


  もしかすると、大野さんは依存性パーソナリティーと呼ばれるグループに属していたのかもしれません。このタイプはミロンの14の分類の中で言ってみれば「最弱」とも言える存在です。根本的に、自分に自信が持てずどこかで「私なんて半人前」と言う意識を持っています。 「他の人の方が、私より上手く出来るに決まっている」と思っているので、他人に依存します。みなさんも、用もないのに、人の後をついて回ったり、話を切り上げようとしても、しがみつくように話を長引かせようとするような甘えん坊タイプを見た事は無いでしょうか。彼らは、心細くてひとりで入ることができないのです。

 

最も犯罪被害に遭いやすいのは依存性性格


  依存的なタイプの人ほど、犯罪被害に遭いやすい人たちはいないでしょう。彼らは、簡単に丸めこまれて相手の指示に従ってしまいます。また、 「この人に任せておけば大丈夫」と信じがっているので、いったん人に任せると、楽天的になりすぎて、状況をシビアに判断できない一面を持っています。

 

ただのなれ合い集団だったのか?


  もしかすると、この一家は、 「オレ達は、社会のはぐれ者」というような対抗的アイデンティティーをメンバーに与えることができるほど、鮮明な旗を当てていた訳では無いのかもしれません。ただの「一緒につるんでいると、楽しいし安心する」と言うだけの馴れ合い集団だったのかもしれません。

 

「下」の「スケープゴート」を求めていた


  ただ、彼らははっきりと愚連隊を意識していたわけではなかったにせよ、ある危険な一面を持っていました。それは、所属メンバーのうちの1人をスケープゴートに仕立て上げずに居られない、と言う特徴です。 「少なくともこいつよりは自分たちの方が上」と言う相手を備え付けていなければならなかったのかもしれません。


  彼らは、 1段低く見られた大野さんに、次々に雑用を押し付けていきました。 「 1段低い仕事」を押し付けられてもそれに大野さんは甘んじてしまったのかもしれません。すると、彼らは、暴力沙汰でも彼女が屈服することを求めるようになります。しかし、依存的な人というのは、それすらも「自分が悪かったのだ」と受け入れてしまうところがあります。大野さんが卑屈な態度をとることによって、 「もっと横暴に振る舞って、こいつを奴隷にしてやろう」というような彼らの暴力性を引き出せしまったのかもしれないのです。

 

依存性性格者の力は生かされなかった

  依存的な人たちの最も得意な技は、対人関係で相手に波長を合わせることです(このために、八方美人に見えたり、没個性的に見えたりします) 。しかし、そこには相手の気を悪くさせまいとするこの大部独特の善意があります。評判の悪かったこの愚連隊の中でも、大野さん1人だけは「明るくて感じが良い」と好意的に見られていたようです。


  この愚連隊が大野さんを見下して下僕をやらせているうちに、実は、彼女の最大の力が発揮されていました。この連中に関わりを持ちたがらなかった周囲の住民たちが、警察や相談窓口に「このままでは、あの若い女性が危ない」と大野さんに代わって彼女を守ろうとする動きに出ていました。明らかに周囲の住民は、愚連隊と大野さんとを区別してみていたのです。 


 「頼りなげで、助けてあげたくなってしまう」といった周囲の助力を引き出す力にかけては、依存性性格の人たちは抜群の力を持っています。それは、彼女を踏みつけてふんぞり返っていた連中が欠片ほどにも持っていなかった力でした。しかし、大野さんの「人柄の良さ」がいつの間にか生み出していた「お守り隊ネットワーク」がその成果を出す前に、彼女の人生は終わってしまいました。

更新情報 「子どもの心のSOS」とか、「子どもの心に寄り添って」とか、全然役に立たないよ | 妻の暴力はそんなことしなくても落ち着いたもの

「子どもの心のSOS」とか、「子どもの心に寄り添って」とか、全然役に立たないよ | 妻の暴力はそんなことしなくても落ち着いたもの - 矢幡洋の精神医学と心理学 http://t.co/esmN1lmymb]

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