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矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察

犯罪事件コメンテーターとしてTVに出ることがあります。社会の出来事や自分の体験を心理学的に考察します。3日に一度、昔、単行本などに書いた少年犯罪分析を連載します。自分で取材した古い事件もあります。他、本家ホムペ・ブログ更新情報も告知します。

「元の世界に戻して」被虐待児は成長した後、解離障害に襲われる。その後・・・この部分は8月31日までネット上で無料立ち読みできます!
もし元不登校児の娘が自閉症だったら
「ママなんか死んじゃえ」衝撃の著者家族ノンフィクション!   

自閉症が百倍に増えたという嘘八百を信じるかい | 締め付けにかかる米国をよそに皮算用の日本人研究者たち

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このクソ記事を見よ-スマホが自閉症の原因だって?

 

「45年前には全世界で5000人に1人といわれていた自閉症患者が、現在は50人に1人になっています。・・・私はテレビをはじめ、スマホなど電子機器による影響も少なからずあると考えています」(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/151956/1)…自閉症についてどれだけ馬鹿げたことが言われているかを示す証拠としてブックマークしておこうかと思ったのだが、ブックマークを増やせばこの記事を読む人が増えるかもしれないと思って、やめた。おかげで、また検索しなければならなくなった。

 

 「名誉教授」なんてあんまり信用しない方がよさそうだ

 


「スマホなど電子機器による影響」によって自閉症が増えたという主張がかつての「ゲーム脳」並のニセ科学的馬鹿馬鹿しさであることが不愉快であったという訳では無い。記事の「自閉症100倍増」と言う見出しでぼくはブチ切れてしまった。 (ちなみに、この発言の主は「kids21子育て研究所」所長の片岡直樹氏(川崎医科大名誉教授)

 

 アメリカでは診断基準が変わったとたんに自閉症診断は40倍に増えた 


「自閉症が増加傾向にある」 と言うのは、全くの見せかけのものに過ぎない。


 事実上の精神疾患の国際的な診断基準となっているDSMⅣでは、 「自閉症には、軽症のものから重症のものまである」と言う認識のもとに、 「アスペルガー障害」と言う新しいサブカテゴリーが採用された。DSMⅣの編集責任者アレン・フランシスは、 「自閉症の診断は従来よりもこの改定によって3倍から4倍に増えるだろう、と予想していた」と述べている。ところが、診断基準が変わったとたんに、アメリカでは、自閉症の診断が実に40倍に増えたのである( アレン・フランシスは「せいぜい3~4倍になるだろうと予想していただけだった」と苦しげに回想している) 。

 

 脳の生得的障害がいきなり増えたのではなく、過剰診断が増えただけ



 これを、 「自閉症児が急に40倍になった」と考える人は居ないだろう。 「診断基準が変更されたので、自閉症の診断を適用される対象者が増えた」ということであり、さらに言えば、 「診断基準がゆるまったのをいいことに、自閉症診断が過剰に濫発された」と言うことにすぎない。最初に紹介したきじでいうような「自閉症が100倍に増えた」などと言う事実があるのだとしたら、日本では、アメリカにはをかけて自閉症診断が濫発された、と言うことにすぎない。そもそも、脳の生得的な障害とされている自閉症が、急に40倍だの100倍だのに増えるなどということはありえない。

 

自閉症診断を減らそうと乗り出したアメリカ精神医学界 


 アメリカの精神医学会は、慌てて引き締めにかかっている。昨年改訂されたDSMⅤでは、自閉症の診断基準が非常に厳しくなった。アメリカの研究者たちは、自閉症診断が減少することを予想している(アスペルガー障害という診断名は廃止された) 。

 

 少年犯罪を「アスペルガー障害」と診断したことで流行が始まった


 僕は、日本における自閉症診断の急増は、半分は、自閉症研究者たちの陰謀めいた目論見に基づくものだと思っている。それは、今年の佐世保の高一女子殺人事件に先立つ10年前、同級生を刺殺した女子小学生がアスペルガー障害と診断された頃から始まっていた(今日では、もう「アスペルガー障害」と言う診断の下しようがなくなってしまったわけだが) 。つまり、 1部の自閉症研究者たちが、センセーショナルな少年事件に対して、 「アスペルガー障害」 「自閉症」と診断を下すことによって、社会の、これらの発達障害に対する注目を急に引き上げたのである。このことは、彼ら研究者にとっては、 「患者が増える」と言う実益にかなうことであった。

 

自閉症診断濫発を率直に認めない日本人研究者たち 


 現在でも、昨年の診断基準改定によって、自閉症の診断基準が厳密化されたことをはっきりと述べている研究者は必ずしも多くない。多くの研究者たちは、アメリカの動向を正確に伝えようとせず、 「発達障害は増加するばかり」と吹聴している。

 

 「責任能力なし」 狙いの アスペルガー障害 鑑定が偏見を強める 


 彼らの恥知らずな言動によって、 「アスペルガー障害」 「自閉症」は、少年犯罪において「責任能力なし」と言う無罪放免を狙うための法曹界の最もお手軽な常套手段となり、いたずらに偏見を強める結果となった。

 

 純粋な科学ではない-精神医学も、心理学も


 どんなに少なくとも、はっきりさせなければならないことがある。それは、精神科の診断というものは、背後に政治的な利害関係を伴った非常に不純なものである、ということだ。