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矢幡洋の犯罪心理学と事件-日々の考察

犯罪事件コメンテーターとしてTVに出ることがあります。社会の出来事や自分の体験を心理学的に考察します。3日に一度、昔、単行本などに書いた少年犯罪分析を連載します。自分で取材した古い事件もあります。他、本家ホムペ・ブログ更新情報も告知します。

「元の世界に戻して」被虐待児は成長した後、解離障害に襲われる。その後・・・この部分は8月31日までネット上で無料立ち読みできます!
もし元不登校児の娘が自閉症だったら
「ママなんか死んじゃえ」衝撃の著者家族ノンフィクション!   

連載少年犯罪検証001長崎「この少女がアスペだって?」壱

連載少年犯罪検証長崎「この少女がアスペだって?」壱

長崎佐世保女子児童同級生殺害事件

 この事件は、国際的にみても極めて特殊なものであり、ここから何らかの一般

論を引き出すことには慎重でありたい。社会の風潮よりも、加害女児の個人的病

理が色濃く反映された事件であり、私は、加虐性(サディスティック)パーソナ

リティー障害の概念によってかなり大きな部分の説明が可能なのではないかと考

える。

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 長崎幼児殺害事件の報道の頃から「性的サディズム」という言葉がいささか独

り歩きの相を呈していたが、ここで述べているサディスティック・パーソナリテ

ィーとは、性格の全体的な傾向についていわれる概念であって、性的サディズム

とは直接の関係は無い。パーソナリティー障害の診断は人格形成途上の未成年者

には原則的には当てはめないことになっているので、「成人のパーソナリティー

障害の一つであるサディスティック・パーソナリティーをモデルとすると加害女

児の行動がかなり説明できる」という限定付きの仮説である。「限定付きの仮

説」とするもう一つの理由は、このカテゴリーは、米国の何人かの有力な研究者

が「独立した診断カテゴリーとして位置づけるべき」と主張しているにとどまり、

国際標準とされる精神疾患の診断カテゴリーには正式採用されていないからであ

る。

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 私が依拠している、パーソナリティー障害の国際的な最高権威とされるセオド

ア・ミロン(ハーバード医科大学精神医学元教授)もその一人である。ミロンは、

サディスティック・パーソナリティーの最も基本的な特徴を「他人より優越しよ

うとして過剰な競争心を持っている」というところに見ている。このタイプは、

「優越したい」という願望がきわめて強く、競争心が強く、譲歩せずに戦闘を選

ぶ。